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※※※ 2018年の収穫 ※※※

### 隠岐版 ###
 〔島根県初〕 ------ 県下の記録なし
ウスゲフモトシダ (西郷 銚子中谷)

 〔隠岐初〕 ------ 隠岐の情報なし
ケカタバミ (五箇 長尾田)
ニシノオオアカウキクサ (西郷 西田)
ホシザキカタバミ (海士 菱浦)

 〔初確認〕 ------ 記録のみで未見だった
タニヘゴ (西郷 平)

 〔再確認〕 ------ 長く現状不明だった
アズキナシ (西郷 銚子・飯美)

 〔新産地〕 ------ 希産種の新産地
イイヌマムカゴ (都万 上里)
ヒナラン (布施 南谷)
ヒロハハナヤスリ (海士 保々見)
アマナ (海士 家督山)
ホナガクマヤナギ (都万)
キツネノカミソリ (海士 家督山)
ナルコビエ (海士 東)
レンゲツツジ (西郷 加茂)
ハイチゴザサ (西郷 加茂)
ヒメシダ (西郷 加茂)
コシダ (西郷 加茂)
ハマニガナ (西郷 箕浦)
ヤマモモ (西郷 箕浦)
ヒトモトススキ (西郷 箕浦)
ナンバンハコベ (五箇 長尾田)
オオエゾデンダ (西郷 今津)
ニガキ (西郷
  銚子)

 〔帰化・移入・逸出〕 ------ 初確認
ノハラツメクサ (西ノ島 美田)

 〔帰化種新産地〕
コゴメキンポウゲ (海士 家督山)
カワラケツメイ (西郷 塩浜)

 〔再同定〕 ------ 同定の精密化
アオウシノケグサ
ヤマタイミンガサ (布施
  北谷)
オカヒジキ (西郷  中村)

 〔未同定〕 ------ 要検討種
カモノハシ sp. (西郷 白島崎)
フモトシダ雑種 sp. (西郷 平)

 〔情報のみ〕 ------ 未確認だが確実性は高い
ヤコブボロギク (知夫  赤禿山,帰化)
オトコオミナエシ (五箇 代)
ヤマトウミヒルモ (都万 塩の浜)
コアマモ (西郷 八尾川)
アオフタバラン (布施 大満寺山)
キリシマエビネ (布施 北谷)
キンセイラン (<不詳>,植栽)

 〔島別新産〕 ------ その島で初確認
ヤマアイ (海士)
フモトシダ (海士)
ヒメノキシノブ (西ノ島)
ハチジョウベニシダ (西郷 高井)

 隠岐諸島産 スゲ属 チェックリスト

スゲの一覧リストであるが,あまり意味がないかもしれない。残念ながら地元でスゲを調べてる人はいないようだ…。確認数は 46種,多いのか少ないのか?

  [確認]
    ✓: 採集・同定済み,: 要探索。
  [図]
    『日本産スゲ属植物分布図集(すげの会 2018)』に隠岐のプロットあり。
  [量]
    隠岐島内での分布程度を 3段階にわけて示す。
  [採集者・産地]
    OKA: 岡 国夫
    OKM: 岡本 香
    SGM: 杦村 喜則
    HSN: 星野 卓二
     《 》 : 筆者自身

            ⇒ [PDFファイル

 隠岐のシダ目録

必要があって隠岐諸島のシダ類を,町村別にリストアップした。今後も補完を続ける予定である。種の扱いは,最新の『日本産シダ植物標準図鑑』(参照文献 ①)に準拠した。

町村以下の具体的な(標本)産地は,参照文献 ② に詳しい。文献 ① の標本データの詳細はまだ公開されていない。


    ⇒ [PDFファイル

 隠岐に トネリコ Fraxinus japonica   そのⅡ.同定

図鑑類からの寄せ集めで,自己用に検索表を作ってみた。外国産の栽培種は除く。太字の和名は隠岐に記録があるもの。
ケアオダモの部分を詳しく書いたのは,まだ発見(確認)できていないからである。

トネリコ属は葉形が変化しやすく同定には注意が必要。枝や葉は数多く観察し全体の傾向(代表値・最頻値)をつかむ事が重要になる。一部の例外にこだわってはならない。

つまり,同定は “用心深く” あるべきだが,分類そのもが難解なわけではない。種の境界は明瞭で,亜種・変種・雑種のような中間型(個体)は現れないので安心してよい。

1: 葉は半常緑で革質。小葉は全縁。琉球産。
             -------------------------------- シマトネリコ
1: 葉は落葉性で紙質。小葉は鋸歯縁まれにやや全縁。
 2: 小葉は無柄又はごく短い柄がある。
  3: 葉の中軸の小葉の着点に赤褐色の綿毛がある。
             ------------------------------------ ヤチダモ
  3: 葉の中軸の着点に上記のような毛はない。
   4: 小枝は太く径5mm以上。葉柄の基部は著しくふくれ枝を抱く。
             --------------------------------------- シオジ
   4: 小枝はやや細く,葉柄の基部は著しくはふくれない。
    5: 芽の外側の芽鱗の先端は反曲し内側に茶褐色毛を密生する。
             ------------------------------ ミヤマアオダモ
    5: 芽の外側の芽鱗は圧着する。
----
6: 小葉の鋸歯は低平で不明瞭,ほぼ全縁に見える。
  ・ 若枝・葉柄・葉軸に粉状の微毛(短腺毛が混じる)がある。
   芽鱗には粉状の微毛があるか又は無毛。
  ・ 葉はやや革質で艶があり葉脈はあまり目立たない。
  ・ 低山地に普通。
          ------------------ マルバアオダモ
6: 小葉には明瞭な細鋸歯がある。
  ・ 若枝・葉柄・芽鱗には開出する粗毛がある,
   又は無毛(アオダモ)。粉状の微毛はどこにもない。
  ・ 葉はやや草質で葉脈が凹む。
  ・ 山地帯で,ありふれてはいない。
          ----------------------- ケアオダモ
----
 2: 小葉は明らかに有柄(長さ3mm以上)。
  3: 小葉は卵形~長楕円形で,急鋭頭又は急鋭尖頭。
   ・葉はやや紙質で薄く,葉脈は溝状に凹んで顕著。
            -------------------------------------- トネリコ
  3: 小葉は長楕円状披針形,尾状に長く鋭尖する。。
   ・葉はやや革質で厚みを感じる。葉脈はそんなに目立たない。
   4: 小葉柄は長さ1cm以下。
            ------------------------------- ヤマトアオダモ
   4: 小葉柄は長さ1~3cm。奄美大島以南に分布。
            -------------------------------------- シマタゴ


『日本の樹木(初島住彦,1976)』の検索表を辿って,トネリコ属を確信できた。花がないと属の決定には不安が残るものだ。

× A:葉は不明またはやや不明。
○ A:明らかな葉を有する。
 × B:鱗片葉・針葉・線形葉。…
 ○ B:葉は通常上記のように狭くなく,…
  × C:葉は互生または束生。
  ○ C:葉は対生または輪生。
   ×:葉は単葉。
   ○:葉は複葉。

 [複葉対生または輪生]
× 1:葉は掌状複葉で…
○ 1:葉は羽状複葉…
 × 2:茎は多少つる性。
 ○ 2:茎はつる性でない。
  × 3:葉は2回または3回羽状複葉。…
  ○ 3:葉は1回羽状複葉。
   × 4:葉は多肉多汁,…
   ○ 4:以上と異なる。
    × 5:小枝は四角形。…
    ○ 5:小枝は四角形でなく,…
     × 6:葉は3個輪生。…
     ○ 6:葉は3個輪生でなく2個の対生。
      × 7:小葉は全縁またはやや全縁。
      ○ 7:小葉は全縁でない。
       × 8:小葉は3個。
       ○ 8:小葉は5個以上。落葉の高木~小高木。
        × 9:小枝の髄は太い。
        ○ 9:小枝の髄は大きくない。
         × 10:葉には托葉と小托葉があり,…
         ○ 10:葉には托葉も小托葉もなく,…
          × 11:小葉は通常5個で通常欠刻があり… 
              ---------------------- (カエデ属の一部)
          ○ 11:小葉は5個以上で欠刻はなく,…
              ------------------------------ トネリコ属



   【追記】  2018.6.20
その後アオダモ類を意識しながら歩いていたら,似たものが次々出て来た。
そしてこれは,今まで自分が「ヤマトアオダモの一型(幼木)として認識していたもの」だと気付いた。
今回は,薄暗い林内のやや大きめの木であったために,その事が思い浮かばなかったようだ。

ヤマトアオダモの変異(生態)について,今回以下の記載を確認できた!やっと確信が持てたと言える。

「・・・小葉の円いものがあり,県内にもみられる・・・。若木では小葉の形は円くなり別種に見えることがあり・・・」   (神奈川県植物誌2001 長谷川義人,2001)
「・・・葉の形状は変異がいちじるしい。幼木では小葉の数が多い。冬芽は大きくて黄褐色の縮毛が多い。」    (落葉樹の葉 田中敬幾,2008)

しかし, “検索表” に正直に従えば必然的にトネリコと同定されてしまう(葉形のみを使って分けているので)。今回自分が間違えたように。まさに,図鑑類の不備だ!

トネリコ属で重要な手掛かりの一つとされる “冬芽” ,2種の区分で冬芽に言及している検索表が一つだけあった! (『Flora of Japan T. Yamazaki, 1993』)
上記検索表に以下を付け加えて補完したい。自分なりの表現で直訳ではないが・・・。

  ・  ヤマトアオダモ :  冬芽の芽鱗には黄褐色の縮毛が密生。
  ・
  トネリコ :     冬芽の芽鱗は微毛または無毛。

 隠岐に トネリコ Fraxinus japonica   そのⅠ.分布

先日植物仲間に「今年はまだ隠岐初がない」とぼやいていたのだが,早速見付かった。もちろん捜してどうなるわけでもなく,偶然にぶつかったものである。場所は西ノ島町の高崎山中腹(300m alt.)で,若木が1本だけ。もっとある可能性があるので,急いで付近を探した方がよい。

図鑑類には一様に「中部地方以北の本州」の分布となっている。もちろん,島根県の過去の情報は一切ない。
中部・東北以外の産地としては,北海道(奥尻島)と滋賀県(伊吹山・速野)の標本があるが現状がどうなのかはっきりしない。少なくとも,『北海道植物誌(2004)』,『レッドデータブック近畿 2001』には記載されていない。
村田源(2004)『近畿地方植物誌』では,分布が「本州(近畿地方北部以東)」となっていた。

主に日本海側に分布するとされるが,南限は愛知県北部ということである(絶滅危惧 EN)。なお,静岡県の記録もあるが(天城山・富士山)「現状不明 DD」だそうである。そして,ネット上の情報では千葉県にもあるように見えるが,これは栽培種の間違い。『千葉県植物誌(2003)』,『千葉県の外来生物(2012)』に拠る。

「島根大学デジタル標本館」なるウェブサイトに,鳥取県産の古い標本が3点掲載されていて大いに驚いた。しかし標本画像を拡大して見たら,台紙上に書き込みがあり「ヤマトアオダモ(2点),ケアオダモ(1点)」に修正されていた!できれば正しい名前で公開して欲しい。少なくとも何らかの注記は必要だろう。

以上,隠岐が跳び離れた “西限自生地” ,“西日本初記録”(滋賀県を除き)と考えることにする。

  【追記】  2018.6.20
トネリコとしたのは間違い,ヤマトアオダモであることが判った。
              ⇒  [そのⅡ.同定]
プロフィール

T.Tango

Author:T.Tango
 丹後 亜興 (隠岐郡海士町)
   tttt@tx.miracle.ne.jp
 
 フィールドは隠岐に限られますが植物歴40数年。ブログの目的は「植物を調べている隠岐の人」への情報提供です。しかし外部の方の参考にもなるよう,汎用性のある記述を心がけます。
 地元密着型の軽めの記事(日記)も,「隠岐版」と断って混ぜることにします。
 質問や地元の植物ニュースは歓迎です。

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