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 隠岐の西限植物

### 隠岐版 ###

北限と同様に,西限(準西限)の種をリストアップした。

同時に南限でもあるもの(6種)は文中に【南限】と付記。南限は西限に含まれる(隠岐の場合)。
北限でもある以下の4種は北限の方に掲載。
    オキシャクナゲ・トウテイラン・オキノアザミ・オキタンポポ

        ⇒ [西限 PDF

 隠岐の北限植物

### 隠岐版 ###

隠岐諸島が北限自生地と思われる種を抜き出してみた。但し,国外(韓国・中国)の産地は緯度をチェックしていない。つまり,日本国内での“北限”である。
△付の和名は「準北限」,北限にごく近いことを意味する。

過去に記録や情報があっても,自身で確認してないものや絶滅と推測されるものは原則除外した。また,雑種も含めていない(一部例外あり)。

〔絶〕・〔Ⅰ〕・〔Ⅱ〕・〔準〕・〔不〕・〔他〕は,レッドデータブック(RDB)のランクで,絶滅・絶滅危惧Ⅰ類・Ⅱ類・準絶滅危惧・情報不足・その他,を意味する。


        ⇒ [北限 PDF

  ヒメユズリハの北限自生地

### 隠岐版 ### 
“隠岐が北限自生地” である種,妙に多いような気がしていた。多いか少ないかは他の地域と比べてみないと分らないが,そんな事ができるかどうか?
取り敢ず,隠岐の北限植物をリストアップしようと思い立った。

その手始めに,今まで “北限ではない” としていたヒメユズリハを検討。
ヒメユズリハ Daphniphyllum teijsmanii は隠岐の海岸近くで普通に見られる。特に島前で。なお,近縁のユズリハ D. macropodum の方は海抜350m前後から現れるが(やや稀),島後のみで島前には自生がない。

(1) 『日本植物誌』1978 大井次三郎 :
  ⇒ 本州(中南部),四国,九州・・・種としては琉球,台湾に分布する。

(2) 『日本の野生植物』1989 大場秀章 :
  ⇒ 本州(福島県以西)・四国・九州・琉球に・・・分布し,台湾にも産する。
(3) 『改訂新版 日本の野生植物』2016 五百川裕 :
  ⇒ (旧版の引き写し)
福島県以西の “以西” は変, “以南” であろう。
「福島県」が何に基づくかはっきりしないので,詳細かつ大部の『福島県植物誌』(1987) を見たが全く言及がない。

(4) 『原色 日本林業樹木大図鑑』1973 倉田悟:
  ⇒ 本州(茨城県以南)から琉球列島にわたる・・・沿海地に多く・・・
本書には標本に基づく分布図が付いている。茨城県のプロットは1点のみで位置は隠岐と同緯度。つまり, “隠岐より北” ではない。
日本海側は福井県敦賀湾までの海岸線で,隠岐よりはっきり南。

(5) 『Flora of Japan』1999 S. Noshiro (能城修一):
  ⇒ 本州(茨城県および福井県以南)から琉球までの沿海地。台湾。
これが一番信用できそう。『茨城県植物誌』(1981) に記載がないのが不思議ではあるが。

念の為,北陸・中部・関東・東北地方全県の植物誌を調べてみた。千葉県以西の太平洋側は省略して(隠岐より南は明か)。

「福島県」が出て来た経緯は不明であるし,「茨城県」内の分布状況も明瞭ではないが,思い切って「隠岐が北限」と判断することにした。茨城県に現存すれば「茨城県も北限」でかまわないと思う。少しくらいの南北差は問題ではない。

以下の敦賀半島(隠岐より少し南)の記述は興味深い。カナクギノキ以外は隠岐にも自生する。
(6) 『福井県のすぐれた自然』1999 福井県自然環境保全調査研究会:
  ⇒ 「・・・敦賀半島の特筆すべき植物としては,日本海側での分布の北限ないしは東限になるヤマモモ,ヒメユズリハ,ソクシンラン(敦賀市立石),カナクギノキ(敦賀市常宮)等がある.また,半島先端部に近い明神崎には,東側の海岸一帯約100m にわたってモクゲンジ林があり,日本海側では生態地理学的に貴重である.・・・」

 アカメガシワ似の樹

アカメガシワやアブラギリは子供の頃から知っている木だが,時々区別ができなくなる。身近過ぎてきちんと(分析的に)観察したことがないからだろう。
これでは遺憾!と,似たもの4種の比較対照表を作ってみた。

難しいのは,葉が大きく分裂葉も多く出る “若木” の時。よく似ていると思っていたが,実際には明瞭な違いがあった。特に「③ 葉の蜜腺」が決定的である。
しかし,手に取ってジロジロ細部を調べての同定はカッコ悪い。いずれ「近くからパッと一目で」にならなければ…。

『改訂新版 日本の野生植物』によると(黒沢高秀 2016),
アブラギリ Vernicia cordata は:---- 「本州(中部地方以西)・四国・九州の山地に生える。中国・台湾・朝鮮半島原産の帰化植物として扱われることも多かったが,これらの地域には分布しない。 」----

これは驚いた!日本固有ということになる。確かに『Flora of China』には,オオアブラギリと カントンアブラギリ V. montana しか出て来ない。

日本でもたまに栽培されることがあるという熱帯性のカントンアブラギリ(広東油桐) は無視した。蜜腺は突出して凹形, “常緑” であるという。

        ⇒ [PDF 対照表


 T: テンツキ vs. K: クロテンツキ

クロテンツキ Fimbristylis diphylloides を少し丁寧に観察したので,よく似ているテンツキ(狭義)F. dichotoma var. tentsuki との対照表を作った。

 「花柱]
T: 扁平で,縁毛がある。
K: 細く,縁毛がない。

 [葉]
T: 葉には全て葉身がある。葉鞘のみからなる葉はない。
K: 無葉身で鞘のみの葉がある。有花茎基部に,短く長さ2cm弱。

 [毛]
T: 全体(葉・茎・花序)に微毛がある。量には個体差があるが,鞘は通常有毛。
K: 無毛。

 [小穂]
T: 狭卵形で長さ5~8mm。鋭頭で細長い感じ。赤褐色で光沢がある。
K: 卵形で長さ約4mm。鈍頭で短く丸っこい。やや暗褐色を帯びる。

 [苞]
T: 1枚は花序より長いのがある。
K: 皆(4~8枚)が花序より遙かに短く目立たない。

プロフィール

T.Tango

Author:T.Tango
 丹後 亜興 (隠岐郡海士町)
   tttt@tx.miracle.ne.jp
 
 フィールドは隠岐に限られますが植物歴40数年。ブログの目的は「植物を調べている隠岐の人」への情報提供です。しかし外部の方の参考にもなるよう,汎用性のある記述を心がけます。
 地元密着型の軽めの記事(日記)も,「隠岐版」と断って混ぜることにします。
 質問や地元の植物ニュースは歓迎です。

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