アレチハナガサ Verbena littoralis
※ メールの形で書いていますが, “Kさん” は特定の個人ではありません。隠岐に在住する,中級の植物好きの誰かという想定です。そういう人がもう少し増えると有り難いのですが…。
Kさん
私もついにアレチハナガサに出会いました(2012.11.27)。海士町(中里)の水田の奥,ほとんど裸地に近い農道の路肩に10数株です。第一印象は,花穂(果穂)が細く小さいことでした。それと,時季あるいは生育状態にもよるのでしょうが,淋しいほどに貧相,葉が目立たず直線的な茎だけの感じでした。
先に(6/29)メールで送っていただいた,五箇(福浦赤崎港)での写真に「アレチハナガサと思います」と回答しましたね。今回改めて画像を見直し,「と思います」の部分を削除します。間違いありません。隠岐初の確認になるでしょう。
理由は以下です。
(1) 葉の基部はくさび状に細まり、茎を抱かない。
(2) 茎の剛毛は疎らで少ない。
(3) 花序軸に粗い毛が密にある。
これで,ヤナギハナガサ・ダキバアレチハナガサ・アレチハナガサ・シュッコンバーベナの4種が揃ったので,まとめに検索表を作りました。 “日本の帰化植物(邑田仁 2003)” と “神奈川県植物誌2001(城川四郎)” に基づいていますが,形質はすべてチェック済みです(ヒメクマツヅラを除き)。一見姿が似ていて難しいと思っていましたが,「そうでもないかなぁ~」という感じになって来ました。
A.葉は深裂または羽裂する。
A.葉は歯牙状鋸歯で深くは裂けない。
B.葉は普通節間より長い。苞葉は明らかに萼より長く,芒状に開出する
---------- シュッコンバーベナ
B.葉は普通節間より短い。苞葉は萼とはほぼ等長かより短い。
C.茎に剛毛が少なく,葉の基部は楔状に細まり,茎を抱かない。
花序軸の毛は斜上。
D.花序軸の毛は密で著しくざらつく。花穂は幅4mm以上
----------- アレチハナガサ
D.花序軸の毛はごく疎らでほとんど平滑。花穂は幅3mm以下
----------- ヒメクマツヅラ
C.茎に剛毛が著しく,葉の基部は細まらず、切形でやや茎を抱く。
花序軸毛は開出。
D.茎は中空。花穂の長さは5~15mm。花冠は萼の2.5倍長以上で目立つ
---------- ヤナギハナガサ
D.茎は中実。花穂は伸びて50mmに達する。花冠は萼の2倍長以下
---------- ダキバアレチハナガサ
【追記 2014.11.5】
“花序軸”の語が分かりにくい,花穂直下の柄(花序の枝)のことである。“茎”はまっすぐに立つ主幹(枝ではない)のこと。
海士の海岸埋立地(北分)に群生していたが,大きいのは高さ1.5mを超え茎が多数出て,遠目には低木に見えた。花穂はダキバアレチハナガサに似て細長く花付きも悪い。
Kさん
私もついにアレチハナガサに出会いました(2012.11.27)。海士町(中里)の水田の奥,ほとんど裸地に近い農道の路肩に10数株です。第一印象は,花穂(果穂)が細く小さいことでした。それと,時季あるいは生育状態にもよるのでしょうが,淋しいほどに貧相,葉が目立たず直線的な茎だけの感じでした。
先に(6/29)メールで送っていただいた,五箇(福浦赤崎港)での写真に「アレチハナガサと思います」と回答しましたね。今回改めて画像を見直し,「と思います」の部分を削除します。間違いありません。隠岐初の確認になるでしょう。
理由は以下です。
(1) 葉の基部はくさび状に細まり、茎を抱かない。
(2) 茎の剛毛は疎らで少ない。
(3) 花序軸に粗い毛が密にある。
これで,ヤナギハナガサ・ダキバアレチハナガサ・アレチハナガサ・シュッコンバーベナの4種が揃ったので,まとめに検索表を作りました。 “日本の帰化植物(邑田仁 2003)” と “神奈川県植物誌2001(城川四郎)” に基づいていますが,形質はすべてチェック済みです(ヒメクマツヅラを除き)。一見姿が似ていて難しいと思っていましたが,「そうでもないかなぁ~」という感じになって来ました。
A.葉は深裂または羽裂する。
A.葉は歯牙状鋸歯で深くは裂けない。
B.葉は普通節間より長い。苞葉は明らかに萼より長く,芒状に開出する
---------- シュッコンバーベナ
B.葉は普通節間より短い。苞葉は萼とはほぼ等長かより短い。
C.茎に剛毛が少なく,葉の基部は楔状に細まり,茎を抱かない。
花序軸の毛は斜上。
D.花序軸の毛は密で著しくざらつく。花穂は幅4mm以上
----------- アレチハナガサ
D.花序軸の毛はごく疎らでほとんど平滑。花穂は幅3mm以下
----------- ヒメクマツヅラ
C.茎に剛毛が著しく,葉の基部は細まらず、切形でやや茎を抱く。
花序軸毛は開出。
D.茎は中空。花穂の長さは5~15mm。花冠は萼の2.5倍長以上で目立つ
---------- ヤナギハナガサ
D.茎は中実。花穂は伸びて50mmに達する。花冠は萼の2倍長以下
---------- ダキバアレチハナガサ
【追記 2014.11.5】
“花序軸”の語が分かりにくい,花穂直下の柄(花序の枝)のことである。“茎”はまっすぐに立つ主幹(枝ではない)のこと。
海士の海岸埋立地(北分)に群生していたが,大きいのは高さ1.5mを超え茎が多数出て,遠目には低木に見えた。花穂はダキバアレチハナガサに似て細長く花付きも悪い。