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 クロハリイ Eleocharis kamtschatica f. reduca の分布

塩性湿地生とされるクロハリイを確認した。母種であるヒメハリイ(ヒメヌマハリイ)
E. kamtschatica の “和名” をクロハリイとしている文献もある。

全国的な希産種と思われたので分布を調べてみた。ひと言で言えば,分布の中心
は “東海地方以東~北海道” 。西日本の記録は無きに等しい。

  ● : レッドリスト種
  ◎ : 稀・少
  ○ : 記録がある
  ? : 不明
  × : 記録なし(絶滅を含める)
  (註) 記録がヒメハリイ E. kamtschatica のみの場合は,それぞれ▲,△とした。

北海道: ○
青森: ◎,秋田: ●,山形: △,岩手: △,宮城: ○,福島: ◎
  ・・・分布が北に偏るが,東北地方にも多いわけではない。青森・山形・福島県
  では “稀” となっていた。産地が多く挙がっていたのは,北海道と宮城県のみ。

新潟: ○,富山: ×,石川: ▲,福井: ▲
  ・・・新潟県は佐渡の標本。石川県:Ⅰ類,福井県:Ⅱ類。

群馬: ◎,栃木: ◎,茨城: ◎,千葉: ●,東京: ×,埼玉: ×,神奈川: ×
  ・・・東京都・神奈川県は絶滅。栃木県は「移入種?」となっている。群馬県同様,
  海の無い内陸県であるのが不思議。

長野: ×,岐阜: ?,山梨: ×,静岡: ◎,愛知: ○
  ・・・『日本水草図鑑』の分布図では,長野と岐阜?に “点” (プロット)がある。
  そういうこともあるかもしれない。但し,詳細な『長野県植物誌』には記載なし。


滋賀: ×,三重: ●,京都: ●,奈良: ×,和歌山: ◎,大阪: ×,兵庫: ×
  ・・・京都府は現状不明,三重県は「生育地点数は2」,和歌山県は1地点で
  1996年の標本。大阪府はヒメハリイで絶滅。

鳥取: ◎,島根: ◎,岡山: ×,広島: ×,山口: ◎
  ・・・鳥取県は米子市の粟島干拓地。島根県は隠岐島のみ,男池(ラグーン)と
  重栖湾の休耕田。山口県は『植物誌(岡国夫 1972)』にはないが,
  『植物目録 2000』で「ごく稀」。

徳島: ×,香川: ×,愛媛: ×,高知: ×
  ・・・分布域に「四国」を含めている文献もあるが,大いに疑問。

福岡: ▲,佐賀: ×,長崎: △,大分: ×,熊本: ×,宮崎: ×,鹿児島: ▲,
   沖縄: ×

  ・・・ 福岡県で現状確認されているのは1ヶ所(10×10m)のみ。長崎県は大村湾
  の記録。鹿児島県は種子島と思われる。



 【付記 2019.7.8】
「・・・クロハリイは母種ヒメハリイに比べ国内での分布は南に偏る傾向がある.・・・」
  『近畿地方におけるヒメハリイとクロハリイ(カヤツリグサ科)の分布』 (堀内洋 2005)から引用。
プロフィール

T.Tango

Author:T.Tango
 丹後 亜興 (隠岐郡海士町)
   tttt@tx.miracle.ne.jp
 
 フィールドは隠岐に限られますが植物歴40数年。ブログの目的は「植物を調べている隠岐の人」への情報提供です。しかし外部の方の参考にもなるよう,汎用性のある記述を心がけます。
 地元密着型の軽めの記事(日記)も,「隠岐版」と断って混ぜることにします。
 質問や地元の植物ニュースは歓迎です。

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