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 オオタチヤナギ その後

   さん

今日明日は雨ということで暇ができました。この時季はよく雨になります。 “菜種梅雨” というんでしょうか。 “花の雨” (桜)という俳句の季語もあります。

本来の隠岐神社の祭は4月4日です。海士では,「今日は隠岐神社の祭だから雨が降る」と私が子供の頃から言われていました。 “後鳥羽院” の涙雨というわけです。

ヤナギ調査が一段落しました。後は5月に “若葉” の観察が必要です。海士・西ノ島・旧西郷町内をほとんど回りましたが,全てオオタチヤナギです(島後のネコヤナギ以外)。隠岐のヤナギの主体はオオタチヤナギだということになります。他にあったとしても,ネコヤナギを除けば “ごく稀” でしょう。

以下オオタチヤナギで気付いたことをダラダラと。
 ・ 数十株をチェックしているが全て雌木ばかり。「雌木が多い」とは言われているものの,雄木が1本もないのは奇妙。種子繁殖をほとんどしていないのではないか?環境の改変で自然繁殖できる場所がなくなって。

事実,休耕田や河川敷など個体数の多い場所は全て若木で,落ちて散らばった枝によるクローン繁殖に見える。そもそも,虫媒花で雄木が少ないと,まともな種子ができないのではないだろうか?

 ・ 短期間に何故そんなに多くチェックできたのか?大きな木なら竿を捜して来て枝先を叩くという方法で,簡単に標本が手に入る。実際木の下には,落葉のようにバラバラと小枝が落ちてたまっている。これが本種の特徴で,ちょっとした強風でも落ちそうだ。

「枝は分岐点で極めて折れやすい特性がある」ことになっているが,枝自体が特に “折れやすい” わけではない。むしろ若い枝は強靱で,引っ張ってもちぎれない。 “小枝の分岐点” (二股部分)が “もろくて外れやすい” という意味である。 “股を少し開こう” と指1本で軽く引っ張ってみるとよい。アッと驚くこと請合いです。

この「分岐点付近がごくもろく,小枝が折れやすい」という性質,面白いので全ての種についてチェックしてみた。その特徴が明記されていたのは以下の4種のみだった。有力な判断基準になると思う。
  オオタチヤナギ, ジャヤナギ,  シロヤナギ, コゴメヤナギ

 ・ 実はもっと安易な奥の手があって,手が届かなくても目視で何とかなるのである。双眼鏡があれば,10m程度の距離でも軽々と同定できる。花穂(雌花序)の短さが独特で,紡錘形の “豆” という感じ。こんなミニサイズで丸っこい花穂は他にあまり例がない。少なくとも隠岐にはあり得ない。

ただし,ジャヤナギとの区別だけは手に取ってルーペで見ないと不可能。しかし,ジャヤナギは未だ1本も確認できていない。情報は,杉村先生の「赤禿山 1992.9.19」という採集記録のみ。

 ・ 島後では小形の幼木ばかり見てきたが(島前には老木が残っている), “男池” だけは例外である。池の周囲に大きな木が50本はある。

ついでに “女池” も見ておこうと行ったみたら,ヤナギはただの1本もなかった。目を凝らしてもない。つくづく,人の生活圏内の種だと思う(男池は水田)。自然度では女池の方が格上なのであろう。今回初めて気付いたが,古びた祠も祀られていて昔の人の思いが想像できる(神様が作った池)。賽銭は,明治期の大きな硬貨が1枚だけ。私もお世話になっているので100円硬貨1枚を追加。

                   ⇒  [オオタチヤナギ]

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T.Tango

Author:T.Tango
 丹後 亜興 (隠岐郡海士町)
   tttt@tx.miracle.ne.jp
 
 フィールドは隠岐に限られますが植物歴40数年。ブログの目的は「植物を調べている隠岐の人」への情報提供です。しかし外部の方の参考にもなるよう,汎用性のある記述を心がけます。
 地元密着型の軽めの記事(日記)も,「隠岐版」と断って混ぜることにします。
 質問や地元の植物ニュースは歓迎です。

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